暑い季節のお出かけ、チャイルドシートやベビーカーで赤ちゃんの背中が汗びっしょりになっていませんか?「魔法のシート」とも呼ばれるエアラブですが、現在は最新世代である「エアラブ4」およびその改良版「エアラブ4+(プラス)」が主流となっています。このシリーズには、機能や素材が異なる「ドーナツ」「ロリポップ」「オレオ」という3つのグレードが存在し、どれを選べばいいか迷うパパ・ママが急増しています。この記事では、シリーズごとの明確な違いと、あなたのライフスタイルに最適な1枚の選び方を、実際に使う親目線で徹底解説します。
結論、どれがいい?エアラブ4(プラス)のモデル別比較と選び方
エアラブ選びで最も重要なのは、「予算」「お手入れの手間」「機能性」のどこに重点を置くかです。3つのグレードには明確なターゲットの違いがあります。
- 【ドーナツ】コスパ重視&基本機能で十分な人向け
- 【ロリポップ】靴の汚れが気になる&空気清浄も欲しい人向け
- 【オレオ】最強のひんやり感&お手入れを楽にしたい人向け
- 最新「4プラス」と「4」の違いは保冷剤ポケットの有無
【ドーナツ】コスパ重視&基本機能で十分な人向け
初めてエアラブを購入する方や、洗い替え用に2枚目を検討している方に最も選ばれているのがエントリーモデルの「ドーナツ(Donut)」です。このモデルの最大の魅力は、なんといっても圧倒的なコストパフォーマンスの良さにあります。上位モデルであるロリポップやオレオと比較して数千円安く手に入るため、双子や兄弟姉妹の分をまとめて揃えたいご家庭や、ベビーカー用とチャイルドシート用で複数枚必要とする場合には、家計の救世主のような存在となります。
素材には、全面に「4層3Dメッシュ」を採用しています。これは通気性に特化した構造で、ファンから取り込まれた風がメッシュの層を通り抜け、赤ちゃんの背中にこもった熱を効率よく逃がしてくれます。上位モデルにある空気清浄フィルターは標準では搭載されていませんが(※別途取り付け可能な場合もありますが基本仕様としては非搭載)、単に「背中の蒸れを防ぐ」という冷却機能に関しては、上位モデルと比較しても実用上大きな遜色はありません。シンプルな機能で十分に涼しさを実感できるため、多くのユーザーがドーナツで満足しています。
ただし、メッシュ素材特有のデメリットとして「お菓子の食べかすや細かいゴミが網目に入り込みやすい」という点には注意が必要です。クッキーやスナック菓子のかけらが一度入り込むと、掃除機でも完全には吸い取りにくく、メンテナンスに少々手間取ることがあります。ベビーカーでお菓子を頻繁に食べる時期のお子様がいる場合は、こまめな掃除が必要になることを覚悟しておきましょう。装飾を削ぎ落とし、シンプルに「涼しさ」だけを最安値で手に入れたいなら、ドーナツが間違いなく正解です。
【ロリポップ】靴の汚れが気になる&空気清浄も欲しい人向け
「ロリポップ(Lollipop)」は、機能性と価格のバランスが絶妙なミドルレンジモデルです。ドーナツとの決定的な違いは、足元部分(フットレスト周辺)の素材切り替えにあります。本体の背中部分はドーナツ同様の通気性の良いメッシュ素材ですが、靴が直接当たる足元部分だけが「防水シリコン素材(PUレザー調)」に切り替わっています。この「適材適所」な設計こそが、ロリポップが多くのママ・パパに支持される理由です。
公園遊びが大好きで、砂や泥がついた靴のままベビーカーに乗ることが多いお子様がいる場合、ロリポップの恩恵は計り知れません。全面メッシュのドーナツだと泥汚れが繊維の奥に入り込んでしまい、洗濯しないと汚れが落ちないことがありますが、ロリポップなら足元をサッとウェットティッシュで拭き取るだけで綺麗になります。この「一番汚れる場所だけ拭ける」という仕様が、日常のストレスを大幅に軽減してくれます。
さらに、ロリポップ以上のモデルには、ファンの吸気口に「空気清浄フィルター」が標準搭載されています。ベビーカーの足元にあるファンは、地面に近い位置にあるため、どうしても舞い上がったホコリや花粉、排気ガスなどを吸い込みがちです。高性能なフィルターがこれらをカットし、浄化された綺麗な風を背中に届けてくれるため、花粉症やアレルギーが気になる方、あるいは都市部で交通量の多い道を歩く機会が多い方にとって、衛生的な環境を確保できる頼もしい選択肢となります。
【オレオ】最強のひんやり感&お手入れを楽にしたい人向け
予算が許すなら、迷わず選びたいのが最上位モデルの「オレオ(Oreo)」です。他の2モデルとの最大の違いは、シート全面に「プレミアムシリコンコーティング」が施されている点です。一般的な布製のメッシュ素材とは異なり、特殊な加工でシリコン素材になっており(通気のためのエアホールは開いています)、肌触りが非常に滑らかで、スイッチを入れる前からひんやりとした接触冷感を得られます。高級感のある見た目もベビーカーのグレードを落としません。
この全面シリコン素材の真価は、圧倒的な「手入れのしやすさ」にあります。飲み物をこぼしても、アイスクリームが垂れても、泥だらけの靴で乗っても、水分や汚れが繊維に染み込まずに表面で止まるため、ウェットシートで拭くだけでリセット完了です。メッシュ素材のように網目に食べかすが詰まるイライラから完全に解放されるのは、忙しい育児中には大きなメリットです。衛生面と清掃の楽さを最優先するなら、オレオ一択と言っても過言ではありません。
もちろん、最上位モデルとして高性能な空気清浄フィルターも標準装備されています。さらに、一部のセット商品ではワイヤレスリモコンが付属しており、足元のスイッチを屈んで操作する必要がなく、手元で風量調整が可能です(※購入時に付属品を要確認)。価格はシリーズの中で最も高いですが、毎回の洗濯の手間を減らせることや、子供の肌への優しさ、そして長期的な耐久性を考えると、満足度が非常に高いモデルです。
最新「4プラス」と「4」の違いは保冷剤ポケットの有無
現在市場には「エアラブ4(2024年モデル)」と、その改良版である「エアラブ4+(プラス/2025年モデル)」が混在しています。基本スペックであるファンの風量や静音性は共通していますが、決定的な違いが一つあります。それは、4+には背中上部に「保冷剤を入れる専用ポケット」が追加されたことです。これは日本の猛暑に対応するために開発された、非常に重要なアップデートです。
真夏の炎天下、特に気温が35度を超えるような酷暑日では、外気そのものが熱風となり、ファンで取り込む風もぬるくなってしまうことがあります。これでは「涼しい」とは言えても、体温を下げる効果には限界があります。そんな時、4+のポケットに専用(または市販の)保冷剤を入れておけば、取り込んだ風が保冷剤によって冷却され、冷風となって背中を巡ります。これは単なる「送風機」から「冷房機器」へと進化するような機能であり、熱中症対策としては決定的な差となります。
また、4+ではシートサイズが改良され、エアラブ4に比べてわずかにスリム化(幅や長さが縮小)されました。これにより、海外製のコンパクトなベビーカーや、内部が狭いチャイルドシートへのフィット感が向上しています。「4」では少しはみ出してしまっていた機種でも、「4+」なら綺麗に収まるケースが増えています。もし価格差が数百円〜千円程度であれば、機能面で優れる「4+」を選ぶことを強くおすすめします。ただし、基本的な風の通り道やファンの性能は「4」でも完成されているため、型落ちセールなどで「4」が大幅に安い場合は、保冷剤を背中に別途挟む工夫を前提にそちらを選んでも後悔はしないでしょう。
購入前に知っておきたい!失敗しないための注意点と活用術
- 旧型エアラブ3から進化した風量と静音性を解説
- 動かない?を防ぐモバイルバッテリーの推奨スペック
- 洗濯機はNG!正しい洗い方とメンテナンス方法
- チャイルドシートやベビーカーへの取り付け互換性
旧型エアラブ3から進化した風量と静音性を解説

これから買うなら、中古市場に出回っている「エアラブ3」ではなく、新品の「エアラブ4」系列(4または4+)を選ぶべき明確な理由があります。最大の進化点は「風の質」と「静音性」です。エアラブ4シリーズでは、シート内部の風の通り道(エアホール)の設計が根本から見直され、空気抵抗を減らすことで風量が旧型比で大幅にアップしました。旧型で時折ユーザーから挙がっていた「一部だけ風が来ない」というムラが解消され、全身に均一に風が届くようになっています。
また、風量レベルの調整機能も進化しています。新たに追加された最強の「パワーモード」は、真夏の屋外など緊急的に涼しさが欲しい時に役立ちます。その一方で、風量を抑えたレベル1〜2使用時の静音性も向上しており、お昼寝中の赤ちゃんをファンの音で起こしてしまうリスクが減りました。ファン自体の厚みも薄くなり、ベビーカーの足元で邪魔になりにくいスリム設計に変更されています。
さらに見逃せないのが「首回りのサイズ感」の変更です。エアラブ3では首元のベルトを通す穴付近がやや狭く、成長したお子様には窮屈に感じることがありましたが、4シリーズではここが広く改良され、頭や首へのフィット感が向上しています。さらに、3では必須だったフィルター交換時のドライバー操作が、4のファン形状変更により(一部モデルや運用上)メンテナンスしやすくなっている点など、長く快適に使うための細かい改良が積み重ねられているのがエアラブ4シリーズの特徴です。
動かない?を防ぐモバイルバッテリーの推奨スペック

エアラブを購入した後に最も多いトラブルが、「スイッチが入らない」「すぐに止まってしまう」というものです。初期不良を疑う前に確認していただきたいのが、使用しているモバイルバッテリーのスペックです。エアラブはファンを強力に回すために一定以上の電力を必要とします。具体的には、「出力:5V / 2A(または5V / 3A)以上」に対応したモバイルバッテリーが必須条件となります。
昔のスマートフォンの充電用に買った古いバッテリーや、ノベルティで貰ったような小型のもの(出力が5V / 1A程度のもの)では、電力不足でファンが回りません。あるいは、弱モードでは動いても、強モードにした瞬間に電源が落ちてしまう現象が起きます。購入前に、お手持ちのバッテリーの裏面に書かれている小さな文字(Outputの項目)を必ず確認してください。最近の「PD対応」などの急速充電バッテリーであれば概ね問題ありませんが、エアラブ側の端子は「USB Type-A」が主流ですので、Type-Aポートがあるかどうかもチェックが必要です。
容量については、「10,000mAh」程度が重さと稼働時間のバランスが良くおすすめです。この容量であれば、風量レベルにもよりますが概ね5時間〜10時間程度は稼働するため、一日のお出かけを十分にカバーできます。20,000mAhだと安心感はありますが、バッテリー自体が重くなりすぎて、ベビーカーの荷物入れの負担になったり、ケーブルが引っ張られたりする原因になります。Ankerなどの信頼できるメーカー製で、かつ適切な出力を持つモデルを用意することが、エアラブの性能をフルに発揮させる鍵です。
洗濯機はNG!正しい洗い方とメンテナンス方法

エアラブは電化製品であるため、メンテナンスには厳格なルールがあります。最も重要なのは「絶対にそのまま洗濯機に入れないこと」と「ファンを必ず取り外すこと」です。シートの下部にあるファンユニットは、水に濡れると内部のモーターや基盤がショートし、即故障します。洗濯の際は、まず裏面のネジをドライバーで回してグリル(蓋)を外し、ファン本体とケーブルを慎重に取り出す作業が必須です(※モデルによっては構造が異なりますが、ファン分離は絶対条件です)。
ファンを外した後のシート部分についても、メーカー推奨は洗濯機ではなく「手洗い」です。シート内部には風を通すためのスペーサーや、USBケーブル、コネクタ類が配線されています。洗濯機の強い水流や脱水の遠心力にかけると、内部の配線が断線したり、USB端子が破損したりする恐れがあるからです。中性洗剤を薄めたぬるま湯を使い、浴槽や洗面器で優しく押し洗いし、シャワーで洗剤を十分にすすぎましょう。
乾燥させる際も、乾燥機(タンブラー乾燥)は厳禁です。熱でシリコン素材やメッシュが変形したり、内部構造が縮んで風が通らなくなったりする可能性があります。必ず風通しの良い日陰で平干しをして、特にUSB端子の中まで完全に乾いたことを確認してから使用してください。少し手間に感じるかもしれませんが、この手順を守ることで、決して安くはないエアラブをワンシーズンだけでなく、来年も再来年も使い続けることができます。
チャイルドシートやベビーカーへの取り付け互換性

「自分の持っているベビーカーに付くか心配」という声もよく聞かれますが、エアラブは基本的に「ほぼ全てのベビーカー・チャイルドシート」に取り付け可能な汎用設計になっています。固定方法は、ヘッドレスト部分にベルトを回し、腰回りのベルト穴を通すだけというシンプルな構造だからです。特に相性が良いのは、A型・B型問わず一般的なベビーカー全般です。
ただし、サイベックスの「メリオ」や「リベル」、あるいはベビーゼンの「YOYO」のような、非常にコンパクトに折りたたむタイプのベビーカーの場合、エアラブを付けたままだと綺麗に折りたためない、またはフックが閉まらないことがあります。その場合は、無理に畳んで断線させるのを防ぐため、畳むたびに取り外すか、干渉しない位置を探る工夫が必要です。この点において、シートサイズがスリム化された最新の「エアラブ4+」は、旧型に比べて畳んだ際の干渉が起きにくくなっており、コンパクトベビーカーユーザーには特におすすめできます。
チャイルドシートに関しても、ISOFIXタイプを含めほとんどのモデルに対応していますが、ヘッドレストが上下に動くタイプのチャイルドシートでは、エアラブの固定ベルトの長さが足りなくなるケースが稀にあります。ただ、エアラブ4シリーズになってサイズ感やベルト位置が微調整され、より多くの機種で違和感なく装着できるよう改良されています。基本的には「付かないことはほぼない」と考えて大丈夫ですが、心配な場合はSNSなどで「車種名 × エアラブ」で検索し、実際の装着画像を確認するのが確実です。
総括:エアラブ選びは「素材」と「保冷剤ポケット」で決まる
この記事のまとめです。
- コスパと通気性を最優先するなら「ドーナツ」が間違いのない選択である
- 泥汚れ対策と衛生面(フィルター)を両立するなら「ロリポップ」を選ぶ
- 最強の清掃性とひんやり感、高級感を求めるなら「オレオ」一択である
- 2025年モデル「エアラブ4プラス」は保冷剤ポケットがあり猛暑に圧倒的に強い
- 「エアラブ4」と「4プラス」の基本送風性能は同じだが、4プラスはサイズがスリム
- ドーナツはメッシュ素材のため、お菓子の食べこぼしが詰まりやすい点に注意
- オレオはシリコンコーティング素材で、拭き掃除だけで汚れが落ちる
- バッテリーは「5V/2A以上」の出力がないと動作しないため確認が必須
- バッテリー容量は10000mAhが重さと稼働時間のバランスが良い
- 洗濯時は必ずドライバー等でファンを取り外す必要があり、手洗いが原則
- エアラブ3と比較して4シリーズは風のムラがなくなり静音性が向上した
- ベビーカーを折りたたむ際は、断線を防ぐため取り外しが推奨される場合がある
- 夏本番には在庫切れが多発するため、本格的に暑くなる前の確保が鉄則である



